【図解つき】ビジネスモデルの基本パターン6選

このエントリーでは、基本的なビジネスモデルを6つ紹介します。

なお、「ビジネスモデル」という言葉の意味については詳しく説明しないので、時間に余裕がある人は以下のリンクを先に読んでおいてください。

では始めていきましょう。

ビジネスモデル①-③:直販・小売・卸売

まずは基本のビジネスモデルを一気に3つ押さえてしまいましょう。比較しながらの方が理解も早いです。以下のスライドを見てください。

直販・小売・卸売

なお、分かりやすくするため、事業主体である企業(以下、「主体企業」と表記します)に色をつけています。ビジネスモデルの名前はすべて、主体企業の視点からの名前である点に注意してください。

では、順に説明します。

直販

まず、直販とは、商品の生産者である企業と一般消費者が直接的に取引するビジネスモデルです。スライドで、この二者しか登場していないことを確認してください。

ちなみに、「一般消費者」とは、「商品を(他に販売することなく)使用する人・団体」と考えてください。業界によっては「エンドユーザー」と言ったりもしますが、要するに普通の購入者のことです。

直販の例として分かりやすいのは、Appleのサイトです。ここでiPhoneやiMacを購入できますが、これは私たちとAppleのダイレクトな取引です。他にも、メーカーのサイトにEC機能がついていれば、それらはすべて直販です。

直販は最もシンプルなビジネスモデルです。他のビジネスモデルは直販との違いで捉えていくのがオススメです。

小売・卸売

次に、小売とは、仕入先から仕入れた商品を、企業が一般消費者に売るビジネスモデルです

直販との違いは、主体企業が商品を作っていないことです。商品をどこかから仕入れて、それを消費者に売るわけですね1

引き続きAppleの例で説明すると、家電量販店でもAppleの製品は購入できますよね。この場合、家電量販店は小売店だということです。Appleの製品を仕入れて私たちに売っていますからね。

また、先ほど紹介したAppleのサイトでは、Boseのヘッドフォンのような、Apple製品以外のものも販売されています(2019年3月時点)。この場合、Appleが小売業者だということです。このように、1つの企業や売り場の中に複数のビジネスモデルが混在しているのは普通のことですので、注意して観察してみてください。

最後に、商品を一般消費者以外(主に小売業者)に売るビジネスモデルは卸売になります。スライドの中段と下段で、違いを確認してください。また、仕入先が商品の生産者である卸売業者を「一次卸」、仕入先も卸売業者である卸売業者を「二次卸」として区別する場合もあります。スライドには一次卸が表現してあります。

練習問題

では、ここまでの内容を確認しておきましょう。ちょっと難問にしておいたので、分からない場合は検索もしてみてください。

Question

自社がメーカーである場合、卸売業者を通さずに独自の直販ルートを開拓することには、どのようなメリットがあると考えられるか。メリットを3つ以上述べよ。

以下に解答欄がありますので、答えを書いてみてください。自分で書いた方が、ずっと効率的に学習できます参考)。分からなくても、トライしてくださいね。なお、この解答欄に書いたことは保存できないので、解答を保存したい場合は自分のメモアプリなどを使ってください。

以下のようなメリットが考えられます。

  1. 粗利益率を高められる(流通の中間マージンがなくなるため。価格を下げて買いやすくしてもよい)
  2. 商品に対する顧客の反応や、顧客ニーズを集めることができる
  3. 売り場の雰囲気、店員の対応などを通じたブランド形成が可能になる
  4. 資金繰りがよくなる(一般消費者との取引に掛売はないので)
  5. 売り場まで誘導できれば、他社製品と比較されにくい

ただし、直販チャネルの運用コスト・集客コストは当然かかりますので、トータルでメリットがあるのかはケースバイケースとしか言えません。

ビジネスモデル④:広告

次は広告です。これも基本ですね。以下のスライドを見てください。

広告

このように、広告とは認知の集まる場を創造し、その場を貸す(広告主に広告枠を売る)ことで収益を上げるビジネスモデルです。一番分かりやすいのは民法テレビ局ですね。民法のテレビ番組は無料で視聴できますが、あれはCMの枠を購入する広告主がいることで成り立っています2

なお、「認知の集まる場」として最も典型的なのはコンテンツ(文章や映像など)ですが、認知さえ集まればどんなモノでも構いません。後から練習問題で確認しましょう。

無料モデルと有料モデル

ここで解説しているのは広告というビジネスモデルなので、広告主から主体企業に金が流れることは確定です。しかし、読者/視聴者から主体企業に金が流れるかはケースバイケースです(このため、点線にしてあります)。読者/視聴者から主体企業に金が流れないモデルを「無料モデル」、流れるモデルを「有料モデル」と呼ぶことにしましょう。

先ほど説明した民法テレビ局は、無料モデルです。他には、Googleの検索サービスなどもありますね。検索は無料で利用できますが、検索の上部には広告が表示されます。

一方、有料モデルとして分かりやすいのは雑誌です。ほとんどの雑誌には広告ページがありますが、雑誌は無料では読めませんよね。また、同じ雑誌でも、漫画雑誌とファッション雑誌では、含まれている広告の量が全く違います。これは収益構造における広告依存度を反映していると考えてください(ファッション雑誌の方が広告に依存している)3

練習問題

では、ここまでの内容を確認しましょう。さっきよりは簡単です。

Question

世の中にある、広告が掲載されている場所を3つ以上述べよ。

以下のようなものがあります。

  1. 駅の通路
  2. 電車の車内・車体
  3. ビルの壁面・屋上
  4. スマホの画面下部(アプリ利用中など)
  5. スポーツ施設(サッカー場など)の仕切り
  6. ファミレスのテーブル

要するに、たくさんの人が通る/集まる場所にあるか、人がジッと見るものは広告媒体として価値があるということです。

その意味では、電車の車内広告などの媒体価値は下がっていると言えるかもしれませんね。みんな車内でスマホの画面ばかり見ていますので。

ビジネスモデル⑤:サブスクリプション

次に、サブスクリプションを紹介します。以下のスライドを見てください。

サブスクリプション

分かりやすいように、上下で買い切りのケースと比較しておきました4。以下の違いを確認してください。

  • 商品の所有権が顧客に移らない(顧客は、一定期間の商品の利用権を得る)
  • 支払いが定期的に何度も発生している

このように、サブスクリプションとは、一定期間の商品の利用権に対し、顧客が定期的に何度も支払いをするビジネスモデルのことです。顧客側に商品の所有権が移らないことがポイントですね。支払いをやめれば、商品を使えなくなります5

また、これはすべてのサブスクリプションビジネスにあてはまるわけではないですが、「契約期間中は、サービスが使い放題になる」という特徴も持っていることが多いです。

所有から利用へ」という言葉に代表されるように、最近はサブスクリプションが大ブームですね。以下のサービスは、すべてサブスクリプションです。あなたも1つくらいは使っているのではないでしょうか。

  • 映像
    • Amazon Prime Video、Netflixなど
  • 音楽
    • Apple Music、Spotifyなど
    • Kindle Unlimited
  • ソフトウェア
    • Microsoft Office 365、Adobe CCなど

古くからあるビジネスだと、スポーツジムなども典型的なサブスクリプションです。

練習問題

では、これも練習問題で確認しましょう。

Question

ここまでに挙げられていないサブスクリプションビジネスを3つ以上答えよ。

驚きが大きそうなものを6つほど紹介しておきます。検索するとどれだけでも見つかりますので、自分でも調べてみてくださいね。

  1. 自動車
  2. 住居
  3. 洋服
  4. カフェ(コーヒー飲み放題)
  5. ラーメン
  6. コンタクトレンズ

ビジネスモデル⑥:プラットフォーム

最後に、プラットフォームというビジネスモデルを紹介します。以下のスライドを見てください。

プラットフォーム

このように、プラットフォームとは、複数の買い手と売り場を結びつける場を提供し、場の利用料で収益を上げるビジネスモデルです

ちなみに、「プラットフォーム」という言葉は、広義には「みんなが使うサービス」という意味です。ここではもう少し狭い意味で「プラットフォーム」という言葉を使っているので注意してください。

プラットフォームには、以下のようなものがあります。

  • マーケットプレイス:商品を売り買いする場を提供する
  • マッチング:人と人を結びつける
    • マッチングの場合、「売り手/買い手」という切り分けではなく、「男/女」、「求職者/雇用者」などになります

マーケットプレイスで分かりやすいのは、スマホのOS(アプリ販売)でしょう。AndroidでもiOSでも、誰でもアプリを開発して販売することができます。そして、アプリの販売代金のうち30%が手数料としてプラットフォーマー(つまり、GoogleかApple)に流れます。流通経路を握ると最強であることが分かりますね。

Amazonには、小売とマーケットプレイスが混在しています。たとえば、以下の本を見てください(せっかくなのでビジネスモデルの本にしておきました)。

この本だけで、以下の4つの売り方がされています。

  • 小売:新品(紙の本)で、Amazonが売り主
  • マーケットプレイス①:新品(紙の本)で、Amazon以外の売り主。Amazonは場の利用料を徴収
  • マーケットプレイス②:中古(紙の本)で、Amazon以外の売り主。Amazonは場の利用料を徴収
  • マーケットプレイス③:Kindle版

なお、マーケットプレイス②や③に関しては、時期によっては出品がないかもしれません。注意してください。

以上、基本的なビジネスモデルを紹介しました。自分が利用するサービスのビジネスモデルを考えるのはいい訓練になるので、折を見て挑戦してみてくださいね。

その他のマーケティング関連のエントリーは以下のページにまとめてあります。こちらも参考にしてください。


  1. ただし、実態としては、一般消費者向けに何かを売っている業態を、仕入先があるかどうかに関わらず、「小売」と呼ぶことがあります。たとえば、銀座や渋谷にあるApple Storeは厳密には「Appleの直営の販売店」ですが、これを「小売店舗」と呼ぶことは普通です。 

  2. なお、主体企業と広告主の間には「広告代理店」が介在することが多いですが、今回はビジネスモデルの大枠を説明することが主旨なので割愛しています。 

  3. ただし、漫画雑誌も雑誌単体で利益を上げるビジネスモデルにはなっておらず、雑誌は掲載漫画のテストマーケティングおよび宣伝媒体として使い、単行本で収益を上げていると言われています。 

  4. サブスクリプションの対義語として「買い切り」という言葉を使っていますが、「買い切り」には「返品をしない形での問屋からの購入」という意味もあるので注意してください。 

  5. ただし、食品や使い捨ての道具などでもサブスクリプションモデルが適用される場合があり、この場合は所有権/利用権という話にはなりません。