【学び方・上達方法】ロジカルシンキングを身につける唯一の方法

ロジカルシンキングの学び方

このエントリーでは、ロジカルシンキングの学び方を説明します。ロジカルシンキングを確実に身につけるためにも、内容に入る前に学習上のキーポイントを押さえておきましょう。ロジカルシンキングの内容には言及しないので注意してください。

では始めていきましょう。

結論

結論から述べると、ロジカルシンキングを習得するためには、自分で文を書いて、それを修正するしかありません。理屈的にも、私の指導経験的にも、これ以外の方法でロジカルシンキングを身につけることは不可能です。

逆から言った方がインパクトがあるでしょう。こういうことです。

  • ロジカルシンキングの本を何冊読んでも、それだけでロジカルシンキングが身につくことは絶対にありません
    • 自分のアウトプット(書いたこと)を改善するために、インプットで学んだことを使うべきです
  • 自分で文を書いていないなら、ロジカルシンキング学習をしているとは言えません
  • 自分の書いた文を人に修正させる前に、自分で修正する習慣を身につける必要があります

なぜこんなことが言い切れるかというと、思考は書かないと見えないからです。

どういうことでしょうか? 

「書く」という行為の意味

なぜ、ロジカルシンキングを身につける唯一の方法が、書くことなのでしょう?

答えを先に言うと、「それ以外に、思考を修正する方法がないから」です。ただ、こんなことを言われてもよく分かりませんよね。順に考えていきましょう。

ロジカルシンキング学習のゴール

まず、ロジカルシンキング学習のゴールから考えてみましょう。どのような状態になったら、「ロジカルシンキングを学び終えた」と言ってよいでしょうか?

これはシンプルに、「ロジカルシンキングを習得した状態になったら」ですよね。実際にロジカルシンキングを使って考え、成果物を作っている状態です。つまり、ロジカルシンキングを使いこなすことが、ロジカルシンキング学習のゴールです

Point

ロジカルシンキング学習のゴール:ロジカルシンキングを使いこなすこと

これは余談ですが、たまにロジカルシンキングに関して詳しくなることをゴールにしている(もしくは、実態としてそうなってしまっている)人を見かけるので、注意してください。もしあなたがアウトプットをせずにインプットばかりしているなら、この疑いがあります。

もちろん、何をゴールとするかは個人の自由ですが、経営学者やロジカルシンキング講師になりたい人でもない限り、そのようなゴールを設定する意味はないでしょう。正しいゴール設定をしてください。

ロジカルシンキングを使いこなせるようになるとは

話を進めましょう。あなたのゴールは、ロジカルシンキングを使いこなすことです。では、どうなったら、「ロジカルシンキングを使いこなせるようになった」と判断できるのでしょう?

もちろん、そのためにはロジカルシンキングの個々の内容を理解する必要があります。そのような細かい話は個々のエントリーに譲るとして、ここでは最も重要な点だけ押さえてください。ロジカルシンキングを使いこなせるようになるためには、あなたの思考が変わる必要があります

これは当たり前ですよね。ロジカルシンキング(thinking)、つまり思考法を使いこなすわけですから、思考が変わるに決まっています。逆に言えば、あなたの思考(考え方)が変わっていかないなら、あなたのロジカルシンキング学習は間違っています。やり方を変える必要があるでしょう。

どうしたら思考を変えられるのか

では、どうしたら思考を変えることができるのでしょう? これが今回のキー論点です。

まず受け入れなければならないのは、思考を直接的に変えることは不可能であるという事実です。私たちの思考は見ることも触ることもできません。

となると、思考の結果である、言葉に頼るしかないわけです。思考が言葉になれば、知覚して評価・修正することが可能になります。つまり、思考を変えるためには、言葉を変えるしかないのです。

ここがポイントです。言葉は思考の結果として出力されるものですが、アプローチとしては逆で、出力された言葉を評価・修正することで思考を変えるのです

以下のスライドでイメージを掴んでください。

ロジカルシンキングの学び方

そして、この場合に言葉として頼りになるのは文字だけです。音声は使い物になりません。すぐに消えてしまい、じっくりと評価して修正することができないからです。

つまり、思考を変えるためには、書いた文字を修正するしかないのです。

Point

思考を変えるためには、書いた文字を修正するしかない

思考 = 言葉

もっと踏み込むと、「思考 = 言葉」と言っても過言ではありません。言葉にならない思考というのは、私たちにとって「そういうものがたしかにある」以上の存在ではないからです。現実問題として、「その人が言葉にしたことが、その人の思考である」と扱うしかないわけです。

以下の有名なことわざ1でも、思考と言葉は隣り合わせです。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

Be careful of your thoughts, for your thoughts become your words.
Be careful of your words, for your words become your actions.
Be careful of your actions, for your actions become your habits.
Be careful of your habits, for your habits become your character.
Be careful of your character, for your character becomes your destiny.

中国のことわざ(詠み人知らず)

このあたりの話は、阿吽の呼吸で空気を読むことが得意な私たち日本人には、なかなか受け入れがたいことだと思います。実際、私たちは言葉にしないで意思疎通することがありますからね。

ただ、「言葉にしなくても伝わる」という考え方は、ロジカルシンキングを学ぶ上では害にしかなりません。とりあえずロジカルシンキングを学ぶ間だけでも、「思考 = 言葉」と考えてください。

思考の修正 = 鼻毛カット

ここまでの話は、鼻毛カットにたとえると分かりやすくなります。下品ですいませんが、これ以上に分かりやすいたとえを思いつかなかったのでご容赦ください。

鼻毛をカットして整えるときは、鏡を見ますよね。自分の鼻毛を直接見ることはできないからです。

鼻毛と同じく、思考も直接見ることはできません。そこで鏡が必要です。そして、文字こそが、思考を映す鏡なのです。文字という鏡に自分の思考を映すことではじめて、思考を整えることが可能になるわけです。

つまり、「書く」という行為は、自分の思考を見るための手段です。ここを押さえてください。

Point

書くことで、自分の思考を見える化できる

フィードバックの方法

文字を書くことで、思考を見える化できます。鼻毛でたとえるなら、伸びた鼻毛が鏡に映ったわけです。

鼻毛の場合は、あとはハサミを動かすだけですよね。しかし、文字の場合はそうはいきません。以下の2つの問題があります。

  1. どこが悪いのかを認識できない(=飛び出している鼻毛を認識できない)
  2. どのように修正すべきか分からない(=ハサミの使い方が分からない)

どちらも、ロジカルシンキングを学んでいない段階では当たり前のことです。最初から自分の言葉の問題点を認識できて、それを完璧に修正できるなら、それはもうロジカルシンキングを習得していることを意味しますからね。

つまり、思考を文字という鏡に映した後で、フィードバックを受け、文字を修正する必要があるのです。それを繰り返すことでしか、思考は変わっていきません。

では、誰から、どうやってフィードバックを受ければよいのでしょう?

方法①:自分でフィードバックする

基本的な方法は、自分でフィードバックすることです。つまり、自分が書いた文章を、自分でチェック・修正しましょう

これは絶対にやってください。というより、自分の言葉に自分でフィードバックすることこそ、ロジカルシンキング学習です

先述のとおり、思考は見えません。ということは、「ロジカルシンキング(思考法)を使いこなす」とは、結局のところ「自分で自分の言葉を修正できる」ことと同義です。それ以外に、外から思考法を使いこなせているかを判断する方法はありません。

つまり、下手なりに、自分で自分の言葉を修正することが、ロジカルシンキングを実践するということなのです。実践しないで、スキルが身につくわけがないですよね。

Point

ロジカルシンキング学習とは、自分で自分の言葉にフィードバックすること

どうやって自分にフィードバックするのか

では、どうやって自分にフィードバックしたらよいのでしょう?

先ほど、「ロジカルシンキングを学んでない段階では、問題点を認識できない」と言ったので、これは無理な話に聞こえるかもしれません。

結論から言うと、大丈夫です。やればできます

なぜこんなことが断言できるのかというと、ほとんどの場合、あなたが読んできた文章と、あなたが書く文章の間には、猛烈なギャップが生まれるからです。

あなたがこれまでに何の訓練も受けていないなら、あなたがロジカルシンキングの学習初期に書く文章というのは、とてつもなくひどいものになります。言うなれば、鼻毛ボーボーですね。ボボボーボ・ボーボボです(繰り返し)。日本では書く訓練をほとんど受けないので、これは仕方ありません。

一方、あなたがこれまでに市販されている書籍や論文など(つまり、まともな日本語の長文)を読んできているなら、それはあなたが、「鼻毛のカットされた、普通の人」をたくさん見てきたことを意味します。

普通の人に見慣れていれば、さすがに、自分の鼻毛がガッツリ伸びていることに気づきますよね。鼻毛を完全に整えることはできないかもしれませんが、唇の上くらいまでカットすることは朝飯前のはずです。

ちなみに、「あれ、私はそんなにまともな日本語の長文は読んできてないんだけど」と不安になった人もいるかもしれませんが、大丈夫です。このエントリーをここまで読んでいる時点で、あなたは日本語の長文に耐性があります。この日本語がまともかどうかの判断はお任せしますが笑。

早速、書いてみよう

では、実際に書いて、自分で自分にフィードバックしてください。

Question

なぜ、ロジカルシンキングを身につけるためには自分で文を書く必要があるのか。理由を述べよ。

以下に解答欄があります。なお、この解答欄に書いたことは保存できないので、解答を保存したい場合は自分のメモアプリなどを使ってください。

一応、以下に解答例も掲載しておきますが、今回は「解答が正しいか」は問題ではありません。自分の書いた文を、よく観察してください

質問に答えていますか? もう少し分かりやすくできませんか? 主語や目的語が抜けていませんか? 誤字・脱字はありませんか?

つまり、鼻毛が出ていませんか?

こういう問いを自分で発して、文を修正してください。きっとできるはずです。それが、自分で自分にフィードバックするということです。

ロジカルシンキングを身につけるために自分で文を書く必要がある理由は、それ以外に思考を修正する方法がないからである。

ロジカルシンキングは思考法なので、「ロジカルシンキングを身につける」とは、思考が変わることを意味する。しかし、思考は見ることも触ることもできないため、直接的に変えることは不可能である。よって、思考の結果である言葉を評価・修正することで、間接的に思考を変えるしかない。この際、評価・修正がしやすいのは音声よりも文字である。以上より、ロジカルシンキングを身につけるためには、自分で文を書き、それを評価・修正することが必要となる。

※冒頭の一文だけでも答えになっていますが、さすがにこれだけでは人に伝わりません。問題の解答としては、もう少し丁寧に書く必要があります。

方法②:人からフィードバックを受ける

フィードバックを受ける2つめのルートは、人から受けることです。学校の先生、職場の上司、プロの講師などに自分の作成した文書を添削してもらえば、いい刺激になるでしょう(ただし、自分で自分にフィードバックしていることが前提条件です)。

最後に宣伝ですが、私も東京で講座をやっているので、興味がある人はこちらを見てください。

研修の紹介ページへ

以上、ロジカルシンキングの学習方法を説明しました。常に、「書いているか・書いたものを修正しているか」という視点で自分のロジカルシンキング学習をチェックしてください。それがロジカルシンキングを使いこなすための唯一の方法です。

さらに学習を進めたい人は

ここまで読んでいただき、どうもありがとうございました。ロジカルシンキングの学習をさらに進めたい人は、以下のエントリーに進んでください。

また、ロジカルシンキング関連のエントリーは以下のページにまとめてあります。こちらも参考にしてください。


  1. ちなみに、この言葉はマザー・テレサのものだと私は思っていたのですが、どうもそれは誤解のようです。参考→ Who said this quote, Gandhi or Margaret Thatcher? – Quora