ゴールまでをデザインするとは

ゴールまでをデザインするとは

このエントリーでは、ゴールまでをデザインするとはどういうことかを学びましょう。

論点を設定し、それを分解し、仮説も立っているとしても、すぐに検証作業に移ってはいけません。ロジカルシンキングの第3プロセスは、ゴールまでをデザインすることです。言い換えると、手を動かす前に、どう手を動かすのかを整理します

ゴールまでをデザインすることで、その後に控える作業を、確実で、実りのあるものにできます。このエントリーでは、ゴールまでをデザインするとはどういうことなのか、その全体像を学んでいきましょう。

なお、このエントリーではロジカルシンキングのプロセス全体については説明しません。先に以下のエントリーを読んでおいてください。

では始めましょう。

ゴールまでをデザインするとは

早速ですが、「ゴールまでをデザインする」とはどういうことか、以下のスライドにまとめました。

ゴールまでをデザインするとは

このように、ゴールまでをデザインするとは、以下の2つを作ることです。

  1. 成果物イメージ
  2. ワークプラン

では、詳しく見ていきましょう。

状況設定

ここからは具体的な状況があった方が説明しやすいので、以下の論点があるケースを考えていきましょう。

Aさん
Aさん

このクラス(3年B組)は、女子の方が男子より身長が高いのでは?

もちろん、現実世界でこんな論点を考える意味はないのですが、ここでは分かりやすさ重視ということでご容赦ください。

これくらい小さい論点だと、論点を分解する必要はありませんよね。つまり、ロジカルシンキングの第2プロセスまでが終わっており、これからゴールまでをデザインする状況です。

ロジカルシンキングのプロセス③

では、この状況における成果物イメージとワークプランとはどのようなものなのかを、順に見ていきましょう。

ゴールまでのデザイン①:成果物イメージ

ゴールまでをデザインするとは

成果物イメージとは、「最終成果物がどのようなものになるか」を具体的なイメージに落とし込んだものです

具体例を見てみましょう。先ほどの論点に対する成果物イメージの例は以下になります(最終成果物はスライドであるとします)。

成果物イメージの例

この手書きスライドがPowerPointなどのソフトで清書されれば、論点に対する立派な成果物になりそうですよね(もちろん、実際のデータで男子の方が大きければメッセージやグラフは修正します)。このようなものが成果物イメージです。

Keyword

成果物イメージ:最終成果物を具体的なイメージに落とし込んだもの

成果物イメージ作成上の注意点などは、次回のエントリーで説明します。まずは全体像を掴むために、先に進みましょう。

ゴールまでのデザイン②:ワークプラン

ゴールまでをデザインするとは

ワークプランとは、誰が、いつ、何の作業を行うかを記述したものです

これも具体例を見てみましょう。今回のケースだとシンプルすぎてワークプランを作成する意味はほとんどありませんが、強いて作るならこんな感じです。

作業 担当 日時 所要時間
身長の測定
(データの取得)
自分 4月1日 1時間
平均値の算出
(データの処理)
自分 同日 10秒
スライド作成
(成果物の作成)
自分 同日 15分

誰が、何を、いつやるのかが明確になっていることを確認してください。そして、このプランを遂行できれば、先ほどの成果物イメージが本当の成果物になりそうですよね。このようなものがワークプランです。

Keyword

ワークプラン:誰が、何を、いつやるのかを記述したもの

要するに、スケジュールガントチャートと呼ばれるものと同じです。好きな呼び名を使ってください。

なお、実際のワークプランには論点も書いたり、作業の仕込み期間(今回の例だと、身長の測定日を確定するためのやりとりなど)も含めたりするため、もう少し複雑になります。このあたりの説明も別エントリーで行います。

まとめ

シンプルな例で進めてきましたが、これが「ゴールまでをデザインする」ということです。成果物イメージとワークプランを作って、最終成果物までの道筋が明確になったことを確認してください。

もちろん、論点が大きくなれば成果物イメージは増えますし、ワークプランも複雑化します。しかし、エッセンスとしては何も変わりません。とにかく、ゴールを明確にして、そこに向かって進めそうな感覚を掴むことが、このプロセスにおける目的です。

Point

「ゴールまでをデザインする」プロセスの目的は、ゴールに向かってブレずに作業できそうな感覚を掴むこと

コースを決めて、走る

ゴールまでをデザインすることは、マラソンにおいてコース(ゴールと道筋)を決めることに似ています。

コースの分からないマラソンを走る人はいませんよね。というより、マラソンではコースを主催者が決めてくれます。

しかし、「考える」という行為においては、以下の2点の理由により、マラソンほどコースを決めることは簡単ではありません。

  1. コースもあなたが決めなければならない(=走る人とコースを決める人が同じ)
  2. コースが物理的に見えない

この2つの要因のせいで、意識的にゴールまでをデザインしないと、あさっての方向に向かって考えてしまう/作業してしまうことがあるのです。

大きいプロジェクトの場合だと、「みんな必死に目の前の作業をさばいているが、チームの誰も、最終的に何がどうなるのか分かっていない」なんてことも起きたりします。このようなことを避けるためにも、ゴールまでをデザインしましょう。

成果物イメージとワークプランを作ることで、あなたの目の前にコースが現れ、それを走りきることが現実的なのかを検討できます。走りきれそうなら、あとは全力で走りきるだけですよね。

なお、走っている途中でコース変更をすることは構いません。「考える」という行為はそんなに予想どおりに進むものではないからです。ここで言っているのは、コースが分かっていないのに走り始めることはダメだ、ということです。

ゴールまでをデザインするには

では、ここまでの話をもう少し引いた目線で捉えておきましょう。以下のスライドを見てください。

ゴールまでをデザインする方法

スライドの左側は、ここまでの説明で見てきた、このプロセスの成果物です。そして、ここがポイントですが、その成果物は、ゴールからの逆算で作られています

つまり、ゴールまでをデザインするためには、まずはゴールを決めなければいけません。ゴールが変われば、コースは変わってしまいますよね。仮でもいいのでゴールを決めないことには、ゴールまでをデザインすることは不可能です。

Point

ゴールまでをデザインするには、(仮でもいいので)ゴールが決まっている必要がある

ロジカルシンキングのゴール

では、あなたのゴールは何なのでしょう? 以下のスライドを見てください。

ロジカルシンキングのゴール

このスライドに関しては別エントリーで解説済みなので、詳しくは以下のリンクを参考にしてください。

ゴールまでをデザインする上でのファーストステップは、自分のゴールを限界まで具体化することです。具体的には、以下のポイントを考えましょう。

  • どのようなロジックを構築したい/できそうか?(あらゆるケースで共通)
    • 仮説(どのような主張/結論になりそうか)
    • 主たる根拠
      • 何を言うか
      • それを言うために、どんなデータを、どうやって集めるか
      • データをどのように処理し、見せるか
  • どのような成果物にするか?(ケースバイケース)
    • 表現形式:文書/プレゼンテーション/その他
  • 「問題を解決する」というゴールは行動によって達成されるので、「ゴールまでをデザインする」プロセスとは関係ありません
    • 一般には、論点に対する答え(解決策)の後に、行動計画を含めることが多いです

要するに、最後に見たいものを、最初に考えるということです。これは慣れるまでは難しいことですが、この態度を身につけないと、いつまでもいきあたりばったりの作業をすることになります。できるところまでで構わないので、必ずやるようにしてください。

Point

最後に見たいものを、最初に考える

以上、ゴールまでをデザインするとはどういうことかを説明しました。次回は成果物イメージを掘り下げていきましょう(後日投稿予定)。

また、ロジカルシンキング関連のエントリーは以下のページにまとめてあります。こちらも参考にしてください。